栃木県那須塩原市(旧西那須野町)女子大生殺人事件

2019年1月1日

 

一次資料 栃木県警察からの資料

概要

事件日時:平成13年4月14日(土)3時ごろ(西暦2001年)
被害者:前田笑(えみ)さん(当時24歳)
事件名:旧西那須野町地内女子大生殺人事件

 

事件現場

事件現場:栃木県那須塩原市(旧西那須野町)太夫塚2丁目地内
遺体が発見された場所、被害者のバイト先、被害者のマンション、被害者の車があった場所
赤い目印をクリックすると内容が表示されます。

 

お問い合わせ

事件について情報をお持ちの方は下記の警察までご連絡をお待ちしております。
旧西那須野町地内女子大生殺人事件
那須塩原警察署捜査本部
電話:0287-67-0110(内線203)

 

二次資料からのデータ

時系列

1998年:栃木県大田原市の大学看護学科に入学。

1999年7月:同級の女性とルームシェアをはじめる。
1999年12月:部屋から現金6万円とショルダーバックが盗まれる。玄関は鍵がかかっていなかった。

2001年
4月12日:「異性関係について悩んでいる」と友人に漏らす
4月13日
昼:大学。新学期がスタート
22時まで:パチンコ店で閉店までアルバイト
22時~4月14日0時30分ごろ:同僚と談笑。パチンコ店内か?

4月14日
未明(0時30分ごろ?):車で家に向かう。
1時ごろ:途中コンビニに立ち寄りおにぎり4個、たこ焼き、ジュース2本を購入
未明:被害者は自分のアパートに到着するが、いつもの自分の駐車場には止めず、近隣の町営駐車場に止める
3時ごろ:近所の住人が「助けて」という叫び声を十回ほど聞いている
隣の民家まで逃げ延びて助けを求めるが住人は不在
被害者はこの民家近くで殺害される
犯人は被害者を道路側に3mひきずる。
4時ごろ(死亡推定時刻):被害者死亡

 

遺体の状況

死因
刺し傷が心臓にまで達したことによる失血死

遺体の状況
ブラウス姿に素足
みぞおちや額、あご、腕、背中などに多数の刺し傷

 

血痕

部屋:少量の血痕が残っていた
被害者がマンション周囲を逃げ回ったとき、血痕は自分の駐車スペースをよけるようについていた。

 

凶器

約20㎝の包丁
町営駐車場のトイレ裏に捨ててあった。
上記の地図参照

 

被害状況

財布から現金が抜き取られていた。

 

犯人の特徴

26㎝前後の中国製運動靴
紐の部分がファスナー

 

部屋・車の状況

部屋
ルームメイトは当時外出していなかった。
ベランダのガラス戸は鍵がかかった状態
東側の窓の鍵は開いていたが、侵入した形跡はなし

被害者の室内や車の中が物色されていた(この状況の被害状況は不明)

 

本書での考察

別冊宝島REAL053 「迷宮入り!? 未解決殺人事件の真相」

では、殺害の流れについて考察されているので、事件当日の時系列に当てはめていく。

時系列(太文字は本書の推測)
4月13日
昼:大学。新学期がスタート
22時まで:パチンコ店で閉店までアルバイト
22時~4月14日0時30分ごろ:同僚と談笑。パチンコ店内か?

4月14日
未明(0時30分ごろ?):車で家に向かう。
1時ごろ:途中コンビニに立ち寄りおにぎり4個、たこ焼き、ジュース2本を購入
未明:被害者は自分のアパートに到着するが、いつもの自分の駐車場には止めず、近隣の町営駐車場に止める
犯人は車を被害者の駐車場に置き、被害者は車を町営駐車場に置く。①
被害者が自ら犯人を室内に引き入れる。
被害者の部屋で犯人が最初に被害者を切りつける。②
被害者はマンションを一周する形で逃げる(逃げているとき、自分の車を置いている場所の横を通る)
3時ごろ:近所の住人が「助けて」という叫び声を十回ほど聞いている
隣の民家まで逃げ延びて助けを求めるが住人は不在
被害者はこの民家近くで殺害される
犯人は被害者を道路側に3mひきずる。
4時ごろ(死亡推定時刻):被害者死亡

推測理由
①被害者の車は町営駐車場にあった。
そして、被害者がマンションの周囲を逃げ回った時の血痕が自分の駐車スペースをよけるようについていたことから推測されている。
②被害者室内に少量の血痕が残っていたことから

【参考文献】
別冊宝島REAL053 「迷宮入り!? 未解決殺人事件の真相」 宝島社 2003年11月

 

考察

「助けて」はだめなのか

午前3時ごろ「助けて」という叫び声を10回ほど聞いているが、住人は「学生がふざけているんだろう」と思い、気にしなかった。とのことであった。

学生でありルームシェアをしていたので、普段から騒いでいて、住人もいつのものことか、と思われてしまったのであろうか。

本当に襲われたときは、
「だれか警察を呼んでください」
などと発したほうがよいのだろうか。

 

コンビニで購入したものは?

1時ごろに途中コンビニに立ち寄りおにぎり4個、たこ焼き、ジュース2本を購入している。
これは、食事を2食分買ったとも考えられるが、おそらく被害者と犯人の分を購入したものであろう。
ということは、あらかじめ犯人が来ることが予想されたはずである。
直近で携帯の履歴に犯人の情報はなかったのだろうか。
予想される犯人の範囲は次の通りと考えられる。
①大学の知人
②バイト先での知人
③出会い系サイトで知り合った知人

それでは1つずつみていく。

①大学の知人
看護学校なので男性は少ないと思われる。可能性は薄いかもしれない。
②バイト先での知人
情報がないので不明。
被害者の履歴は当たったと考えられるので仮にバイト先の知人に犯人がいた場合、直接口頭で被害者宅に訪問を約束したと考えられる。
③出会い系サイトで知り合った知人
被害者は出会い系サイトを使ってたとされる。
直近で被害者と連絡を取った人物はいなかったのだろうか。
なければ、可能性として出会い系独自のメール交換をして連絡を取っていた可能性もある。

 

なぜ犯人はずっと追いかけることができたのか

遅い時間とはいえ、犯人は被害者が助けを求める声を10回も発しても追い続けていたが、近隣住民がくるということを全く予想していなかったのだろうか。
殺人の憎悪に満ちていたのだろうか。
仮に人が来ても逃げれる、もしくは殺せると思ったのか。

 

凶器の包丁

凶器の包丁は、犯人が持参したのだろうか、それとも被害者宅にあったものを使ったのだろうか。
本誌には書かれていないが、包丁は大量生産されていた調査されたことから、犯人が持参していた可能性が高い。

指紋
本書では指紋が検出されたとの記述はない。
実際になかったのだろうか。指紋がなかったとしたら2つの可能性が考えられる。

①手袋をしていた
仮に、手袋をしていて指紋が検出されなかったとする。
知人に会いに来て、手袋をしてきたら怪しまれるのほうが普通である。

②拭きとった
もう一つの可能性は殺害後部屋に戻り、触れたところを拭いたということである。