東京都葛飾区 上智大生刺殺放火事件

2019年1月1日

 

概要

概要

事件被害者:女子大生(当時21歳)
事件発生時:平成8年9月9日(月)(西暦1996年)
事件発生現場:東京都葛飾区柴又

 

二次資料からのデータ

時系列

朝から雨
15時過ぎから雨足が強くなる
15時50分:母がパートに出かける。玄関の鍵はかけずにいった。
16時15分ごろ:近所の住民が被害者の家の前を通ったときは家事の気配はなし。
16時39分:住民から「隣家が火事」と119番通報があり
18時ごろ:鎮火

 

状況

死因
刺殺。右頚部静脈の切断による失血死。
首に6か所で右側に集中していた。

遺体の状況
口を粘着テープでふさがれ、両手を粘着テープ、両足をストッキングで縛られていた。
両手には、数か所の防御創があった。

下半身にやけどを負っている。
見つかったとき被害者は2階におり、服装は、シャツに短パン。
横向きに寝かされ、頭から夏物の掛けぶとんがかけられ、縁は体の下にはさみこまれていた。

着衣に乱れはなく、暴行はされていない。

凶器
見つかっていない。
被害者を縛った粘着テープは、あらかじめ犯人が用意したもの。

室内の状況は?
物色の跡はなし。
被害者がいた部屋には、タンスに預金通帳、現金等があったがそのままであった。

犯人の遺留品
凶器は見つからず。
ドアやノブからは指紋は検出されず。
被害者を縛った粘着テープは、犯人が持ち込んだものであった。

被害状況
被害者が倒れていた6畳間の仏壇やタンスにあった預金通帳、隣の部屋(被害者の部屋)のリュックサックの中にあった現金13~14万円は手つかず。

火はどこから出火か
激しく焼けていたところは、2F奥の洋室6畳間と1Fの和室6畳間。

当時家族は?
父:福島に出張
母:美容院へパートで働いていた。
姉:病院で勤務

当時の天気
朝から雨が降り、15時から雨足が強くなった。

不明点
1階にあったはずの父のスリッパが、2階の順子さんが倒れていた部屋の前にそろえてあった。

被害者の予定
2日後にはアメリカの大学へ留学生として出発するはずであった。

不審者
現場近くに立っていて男
当日の16時ごろ、黒い傘をさして現場近くに立っていた中年男がいた。
これに似た人物が、当日の朝、柴又の隣駅の京成高砂駅付近で、「柴又三丁目」への行き方を主婦に尋ねている。

【参考文献】
「新潮45」編集部編 「殺人者はそこにいる 逃げきれない狂気、非情の13事件」 新潮社 平成14年4月
「行きずりかストーカーか」、見過ごされた殺意 -柴又「上智大生」殺人放火事件
田宮榮一監修 「捜査ケイゾク中 未解決殺人事件ファイル」 廣済堂 2001年10月
柴又女子大生刺殺放火事件

 

考察

なぜ殺害後に粘着テープで縛られたのか

本では殺害後に粘着テープで縛ったとする
「新潮45」編集部編 「殺人者はそこにいる 逃げきれない狂気、非情の13事件」
田宮榮一監修 「捜査ケイゾク中 未解決殺人事件ファイル」

この2つの本では、被害者は殺害後粘着テープで縛られたと書かれている。
この考えは、両手には数か所の防御創があったから、その争いの中で被害者が殺され、状態として手首に粘着テープがあったので、その後と判断されたのだろうか。

粘着テープで縛った後に殺害は?
①例えば切りつけようとしたとき、被害者に抵抗され、手に防御創ができる。
②被害者は死を感じ殺さないように乞う。
③犯人が被害者の手首に粘着テープで縛る
④犯人が被害者を殺害

 

他にも不明点が

不可解な所は、なにか犯人に関して何らかの情報を持っているのではないかと考えられる。

なぜ被害者は両親の部屋にいたのか
2階は、両親の部屋、姉の部屋そして被害者の部屋の3部屋ある。
しかし、被害者は自分の部屋ではなく、両親の部屋にいた。

なぜ布団の左右の縁が体の下に挟み込まれていたのか
この状態は何を意味するのか。

なぜ被害者は布団の上にいたのか
被害者は、父親の布団にいた。

なぜスリッパをそろえてあったのか
1階にあったはずの父のスリッパが、2階の順子さんが倒れていた部屋の前にそろえてあった。