グリコ・森永事件 ③丸大食品脅迫
時系列
詳細をクリックすると、下記の詳細に飛びます。
日付 | 日時 | 内容 | 詳細 |
---|---|---|---|
6/22 | 丸大食品本社に脅迫状が届く | ||
6/26(火) | マスコミ宛にグリコへの休戦状が届く | ※1 | |
6/28 | 20:03 | 犯人から電話 | ※2 |
丸大食品社員になりすました捜査員が5千万のバックを持ち高槻駅に向かう。 | |||
案内板は駅北口にあり、裏側に封筒がテープで張り付けられていた。 | ※3 | ||
20:35 | 捜査員は電車に乗るが、雨の闇の中で白い旗は確認できなかった。 | ※4 | |
7/3 | 丸大食品 藤田政光取締役宅に挑戦状が届く | ※5 | |
7/6 | 20:07 | 犯人から電話 | ※6 |
21:12 | 社員になりすました捜査員が電話ボックスに着いて指示書を見つける | ※7 | |
21:29 | 山崎バス停待合室につき犯人の置いたメモを見つける | ※8 | |
21:40 | 深草バス停につくとベンチ裏に指示書があった。 | ※9 | |
22:10 | 捜査員は案内板に張り付けてあった白い布の下にバックを置いたが犯人はあらわれなかった | ||
7/11 | 犯人は丸大食品本社にタイプ文を送る | ※10 | |
ハウス食品工業など大手7社に警告状を送る | |||
7/23 | 犯人はジャスコ、ニチイなど計4社に警告状を送る | ※11 |
詳細
※1 6/26
わしら もう あきてきた
社長が あたま さげて まわっとる 男が あたま さげとん
のや ゆるして やっても ええやろ
ナカマの うちに 4 才の こども いて まい日 グリコ
ほしい ゆうて ないている わしらも さいきん たべ
へんけど むかしは よう くうた もんや
こども なかせたら あかん うまい くいもん のうなったら
わしらも こまる
江崎グリコ ゆるしたる スーパーも グリコ うってええ
青さんいりの チョコレート 18こ は もやしてもうた
1こは 5 月9 日に ダイエーイバラキ店え おいた
どおなったか しらん 1こは べつの 店から 5 月18日に
とりもどした
日本は むしあつう なってきた ひとしごと したら
ヨオロッパえ いくつもりや チュウリヒ ロンドン パリ
の どこかに おる
けいさつも ようやった これに こりんと がんばりや
ホームズ君でも わしらには かてんのや かい人20面相
よんだら あたま ようなるで
けいさつの ヨオロッパ ツアー
たびのおともに グリコの ポッキー
わしも たべてる おいしい グリコ
かい人21面相
らい年 1月に かえってくる
※2 6/28 犯人からの電話
録音テープに吹き込んだ女性の声で
「高槻の西武デパートの三井銀行の南 市バスおりばの観光案内版の裏」
時系列に戻る
※3 6/28 封筒に入っていたもの
タイプ文字の指示書が入っていた。
「高槻駅に入れ (PM)8:19か8:35発の京都行き各停に乗れ バック出せるよう進行方向に向かって左側の窓を開けて線路を見とれ 白い旗が見えたらバックを外にほおれ」
「後ろから二両目の〇印のところへ座れ」
印のついた電車の座席図が添えられていた
340円区間の切符が同封
時系列に戻る
※4
12/7犯人は週刊読売にこのことについて寄せている
※5 7/3
下記の文は全文ではなく概要
7月6日、吹田市新芦戸屋上の小森嘉之・丸大食品取締役の自宅前に金を乗せたカローラを用意しろ。小森宅へ電話する。応じるなら4日と5日にパート募集の新聞広告を出せ
※6 7/6
録音テープに吹き込んだ子供の声で
「茨木市上穂積のバス停看板の横の電話ボックスの物置代の裏」
時系列に戻る
※7 7/6
「茨木インターから名神高速道路に入れ、京都方面へ時速85キロで走れ。山崎バス停待合室のベンチの裏」
時系列に戻る
※8 7/6
「深草のバス停のベンチの裏」を探せ
時系列に戻る
※9 7/6
「太田一人で高速バスの看板にある30センチ四角の白い布のところにバックを置け」とタイプで打った指示書があり
犯人が指示した場所は、バス停から降りた真下の西浦南公園。
時系列に戻る
※10 7/11
※11 7/11、7/23
ハウス食品工業、ジャスコ、ニチイなどへの警告状
グリコ ゆるしたってから ヨオロッパえ いこう おもうたが けいさつ
うるそおて いかれへんかった
もうすぐ ひとしごと してから いくつもりや
このごろ わしらの にせもんが ぎょうさん でおって
わしら めいわくしとる
わしら なにか用があれば 勝久の声のテープ いっしょにおくる
テープなければ にせもんや
けいさつえ とどけたらええ
けいさつの どあほどもでも にせもんくらい つかまえるやろう
けいさつ つかまえられへんかったら わしらが みつけて殺したる
にせもんに 金はろたら あかんで
かい人21面相
差出人:江崎勝久
【参考文献】
朝日新聞大阪社会部 「グリコ・森永事件」 朝日文庫 1994年7月
考察
グリコ森永事件に関する本はいくつもある。まだ事件の概要をまとめている時点なので、考察、というよりは現時点気になる点を記述していく。なので後日修正、加筆が大いにある。
子供の声について
6/26にマスコミ宛にグリコへの休戦状が届いたときの文面に
「ナカマの うちに 4 才の こども いて ・・・」
とある。
そして7/6丸大食品に録音テープに吹き込んだ子供の声で電話がかかった。
ここから、この録音テープに吹き込んだ子供の声は、犯人の4歳の子供という可能性があるかもしれない。
男の子の声。50秒当たりのところから。しかしこれを聞くと4歳児よりしっかりした口調にも感じる。
出典:yorunodqn 様
脅迫文の特徴
口語から作られたか
ブログに入力して感じたが、脅迫状の文字は、口語から作られたように感じる。
例えば
犯人の脅迫文:みなさん え
通常の文 :みなさん へ
難しい漢字はひらがな
例えば
- 青さん
- かい人
- らい年
これは、脅迫状を作る時にパンライターと呼ばれるもので作成されたといわれている。
wikipediaによるとパンライターは
この活字配列は決まっているものの、最低でも1000を越え、小型汎用機種でも大抵は2000を越える漢字を含む活字から、適切な文字を探して一文字ずつ打ち込んで行くため、かなりの技能が必要とされた。
と書かれていることから、難しい字は探すのが大変だったという機械の機能面からだったかもしれない。
ヨオロッパ
- スーパー
- ダイエー
- チョコレート
- ツアー
- ポッキー
など、伸ばす"-"を通常のように使っているのに、なぜヨーロッパだけヨオロッパにしたのか、ということが気になった。
確かに、ヨーロッパは、口で言ってみると、伸ばしているように言っておらず、ヨオロッパとなる。
もしくは、ヨオロッパのように書くのは昔の人のように感じる。なので、文面を作成した人、もしくは考えた人は学生時代ヨオロッパと書くように習ったぐらいの年齢層なのか。